歯茎の検査って何?
- 2023年5月9日
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こんにちは。SHO DENTAL Salonです。
今回は歯医者へ定期検診で行った時に必ず行う、歯茎の検査についてお話しします。
歯茎の検査はチクチクして痛いし、顎も疲れるから嫌だなと思う方も多いかと思います。
ですが、歯茎の検査は患者様のお口の健康を知るうえでとても大切な検査の一つなのです。
歯茎の検査の際にはポケットプローブと呼ばれるメモリのついている細い器具を使用し、歯茎の中の状態を調べます。
ポケットプローブを用い、歯周ポケットの深さを測ったり、出血が有るか無いかを診たり、歯の揺れを診たり、
歯や歯茎の内側を触って状態を確認します。
このように歯茎の中をよく調べることによって、歯周病の進行状態や回復状態、炎症の有無のチェックをしています。
健康な歯と歯茎の間であっても1ミリから3ミリ程、ポケットのような隙間があります。
普段歯磨きをしていても、自分では落としきれなかった汚れ、歯周病の原因菌を含むプラーク
(細菌のかたまり)が歯と歯茎の間にある歯周ポケットから中へ侵入してしまいます。
歯茎の中へ入り込んだ汚れはなかなか自分では落としきることができず、そのまま放っておくと入り込んだ細菌が悪さをします。
私たちの体にはもともと免疫力が備わっているため、健康を害する物質から身を守ろうとします。
細菌がいつまでも残っていると、体はなんとかしてそれを排除しようとするのです。
このときに血液や唾液中の警備隊である免疫細胞が活発に動き出し、歯周病菌と戦います。
これら免疫力が働いた結果、歯肉の腫れや出血を引き起こし、歯肉の炎症として出現しているのです。
歯肉の一過性の炎症であれば歯磨きやクリーニングなどによって細菌をしっかり除去することができれば、炎症はすぐにおさまります。
炎症がある場合は、まず汚れを常にキレイに落として、出血を無くしていくことを目安にケアしていくといいかな、と思います。
歯磨きやクリーニングを怠り、細菌が除去されないままだと、炎症がひどくなり、歯茎がどんどん腫れていきます。
歯茎が腫れて膨れ上がっていくのでポケットは深くなり、細菌はどんどん中へ中へと侵襲していきます。
中に入り込んだ歯周病菌は外毒素や内毒素と呼ばれる強い毒素を出すので、免疫細胞はさらに過剰に反応し、一生懸命細菌をやっつけようと動きが活発になります。
その結果、ポケットの中は歯周病菌や戦った免疫細胞の死骸でいっぱいになります。
これが膿の正体です。膿が出ることで、お口の中が粘つき、口臭の原因にもなります。
ポケット検査をしている時は歯茎からの膿がないかも確認しています。
そして、細菌との戦いが続くと、細菌と戦っていたはずの免疫細胞がなんと、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かそうと働き始めます。
身を守るための免疫細胞がなぜ?と思うかもしれませんが、実はこれはトカゲの尻尾切りと同じ仕組みではないかと言われています。
被害が体内に及ばないように、被害を最小限に食い止められるよう、歯を支えている歯周組織や歯をあえて失う選択をするのです。
歯周病の進行の度合いは、この壊された組織がどこまで壊され、ポケットが深くなっているのかを確認しています。そのため歯茎(歯周ポケット)からの深さを測っているのです。
このときチクチク痛みがある場合は、深くなっていたり、炎症があったり、それによって痛みを伴うことが多いです。
ポケットの深さの目安は、
2mm以下 健康
2mmから4mm歯周病の可能性
4mm以上 歯周病が進行している可能性
とされています。
2mm、3mmであっても出血を伴うと炎症初見があるという判断になり、歯周病の可能性があると判断されます。
歯周病が進行し、歯茎の中の歯周組織が壊れていくと、歯を支える骨(歯槽骨)がなくなっていくので、土台が悪くなった歯は揺れ始めます。マイホームの大黒柱が短かったり、土台が不安定だったりだと家が倒れてしまいますよね。歯を支える骨と、歯の関係も似たような感じです。
検査の時には、この歯の揺れがないのかも確認をしています。
歯茎の検査をしながら、歯の根の形や歯石が歯茎の中にもついていないかも確認をしていいます。歯石が触知できた場合は、部分的に麻酔をして、歯茎の中のお掃除をすることがあります。
長くなりましたが、ここまでの内容をまとめると、歯茎の検査では、ポケットの深さ、出血の有無、歯の揺れ、歯石の有無の確認をしているのです。
歯ぐきの状態からわかる体の不調もあるので、歯ぐきの検査は健康のバロメーターと言えるでしょう。
歯周病は国民の多くが感染している歯周疾患であり、感染症です。早期の治療とこまめなメインテナンスを行うことで歯周病への罹患を未然に防いだり、現状以上に悪化しないようにしていったりすることが大切なのです。
また、歯並びがキレイな人と、そうでない人では清掃の難易度が変わってきます。
矯正を行うことでクリーニングをしやすい環境をつくり、歯周疾患への予防をおこなっていくことも効果的です。
歯周病の検査は長時間お口とあいていなければならないし、大変だとは思うのですが、お口の健康管理を行う上でとても大切な検査ですので是非おこなっていっていただけたらと思います。