呼吸と口腔の関係
- 2023年9月30日
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こんにちは、SHO DENTAL Salon です。
本日は呼吸と口腔の関係についてお話しいたします。
皆さん、呼吸とお口には深~い関係があることをご存知でしょうか。
歯医者へお子さんの検診で行き、お口の中を見て口呼吸であることの指摘を受けたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
口呼吸の方はいつも唇が空いた状態にあることから、口唇閉鎖不全と言われることがあります。
近年、口呼吸・口唇閉鎖不全症の小児が増加しているといわれ、「口腔機能発達不全症」と診断されることが増えてきました。
日本国内の子どもでは3歳から12歳で30.7% すなわち推定約400万人に日常的な口唇閉鎖不全が見られているという調査結果が出ています。
また、調査結果では、3歳児では19.0%に同症が確認でき、12歳児では39.7%にみられ、年齢とともに増加傾向にあります。12歳時点で急激に口腔閉鎖機能に異常が出現するわけではありませんので、3歳児から継続して増加していき、自然治癒が期待しにくいと考えられています。
次に、鼻呼吸の役割と口呼吸との違いをご存知でしょうか。
鼻呼吸を行なっていると、鼻腔を通った空気が温かく湿った状態で肺に入ります。そのときに空気中の異物や病原菌などを吸い込んだとしても、鼻粘膜の表面や扁桃の組織がそれらを捉えてくれます。くしゃみはこの菌を排出するときに出たりしますね。
鼻呼吸はお口の中やその周辺の器官の快適な温度と湿度を保ち、空気を清浄する役割を果たしています。
ところが、口呼吸をしている場合は、温まっていない乾燥した空気をいきなり吸い込むことになり、ウイルスなどの病原体が体内に侵入しやすく、喉がダメージを受けやすくなります。
さらに口腔内が乾燥しやすくもなります。
お口の中が乾燥しやすくなると、お口の周りの筋肉の働きが悪くなり、病原菌を取り込みやすくなるといった理由から、以下の弊害が指摘されています。
・口腔習癖、不正咬合、発音障害が起こりやすくなる。
・歯周病やむし歯のリスクが上がる。
・口臭の原因となる。
・前歯に外傷や外来性色素沈着が起こりやすくなる。
・咀嚼力と咀嚼回数が減少する。
・審美性の低下。
・アレルギー、呼吸器疾患にかかりやすくなる。
といったことが起こりやすくなります。
鼻呼吸を行うためには、安静時に「上下の唇が閉じていること」「舌先が上の前歯の裏に軽く触れていること」の2つの条件が必要です。
しかし、子どものお口ポカンに気づいていても鼻咽頭疾患があるからと諦めてしまっていたり、逆に「口を閉じるようにいっているのに言うことを聞かない」と子どもを責めてしまったりなど、保護者の反応はさまざまです。口呼吸への対応を実際に行なってみると、指導により、効果をすぐに実感できることもあれば、一向に変化がなくて残念に思うケースもあるのではないでしょうか。
口呼吸の種類や原因には
、
・鼻性口呼吸:耳鼻咽喉科疾患による鼻呼吸障害
(アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻中隔彎曲症、アデノイド・口蓋扁桃肥大など。)
・歯性口呼吸:不正咬合による口唇閉鎖不全
(歯並びによるもの、上下の顎間関係の異常など)
・習慣性口呼吸
(長期にわたる耳鼻咽喉科により口呼吸が定着してしまった場合、口腔周囲筋の不調和によるもの、不良な生活習慣など)
などがあります。
口呼吸のへの対応はどうしていくのか。
年齢別でポイントをご説明していきます。
・0〜3歳児
- にらめっこ(お口に空気をたくさん入れ、あっぷっぷ、の声かけで口を閉じていられる時間を競います)
- 風車回し(口をすぼめて、息を吐く練習)
- 吹き戻し(鼻で息を吸って、口で吐く練習。慣れてきたら手を離して行う。)
- 紙風船(小さな穴からおちょぼ口で空気を入れる)
- 風船(鼻でしっかり息を吸って、口から吐く練習。慣れてきたら手を離して行う。)
・3〜6歳児
- スキニータング・ファットタング
(上下の口唇に舌が当たらないようにまっすぐ細く舌を前にだす。軽く舌を前に出して、力を抜いて保持する。その状態から左右の口角に舌だけを動かす。顎は動かないようにする。指で口角に位置を指して舌で触ってーと指示する。)
- ペタペタポッピング
(舌が上あごに触れる感覚を体感させ、舌先を少し後方へずらしてポンっと音を立てて離す。舌全体を上あごに吸い上げてポンっと音を立てて離す。)
- オープンアンドクローズ
(舌全体を上あごに密着させたまま、口を開けたり閉めたりする)
- ポスチャー
(舌全体を上あごに吸い上げた状態でストローを真横にして噛んで舌が下がらないように唇を閉じて、そのまま5〜30分を目標に保持する)
- ガーグルストップ
(水を口に含んだ状態で上を向き、口を大きく開けてガラガラうがいをする。口に水を溜めた状態で上を向いて、鼻で3呼吸程する)
- スイッシュ
(口に含んだ水を左右前後に勢いよく移動させる。ブクブクうがいができない年少者の場合水の代わりに空気で行う。)
- 口を閉じてガムを噛む練習
(保護者の方は日頃の食事も子どもが口を閉じて食べられる一口量と硬さに調整してあげる。)
・学童期以降
学童期以降では口唇閉鎖力の自然な増強、減弱があまりなくなり、口腔筋機能障害は自然治癒が難しくなります。0歳から行なっていく日常訓練だけでは改善は期待できないこともあるので、歯科医院で相談もしていただくと保護者の方も安心できるのではないでしょうか。
当院では幼少期から始められるプレオルソという治療方法もあります。口腔周囲筋のバランスを整え、口呼吸や歯並びに働きかける治療法です。成人矯正での治療難易度を下げる効果もあるとされていますので、お気軽にご相談ください。
以上、今回は呼吸と口腔の関係についてお話しさせていただきました。
花小金井で歯医者・歯科をお探しなら、花小金井駅徒歩1分の歯医者 SHO DENTAL Salonに是非ご相談ください。