根面う蝕について
- 2024年4月8日
- ブログ
こんにちはSHO DENTAL Salonです。
⭐️根面う蝕
厚生労働省によると、50代は半数近くが何らかの理由で歯を失っています。
その原因のひとつが、歯の付け根にできるむし歯「根面う蝕」で”大人のむし歯”ともいわれています。
高齢になると歯が伸びたように見えてきます。
それは歯ぐきが伸びたのではなく、歯周病や加齢とともに歯ぐきが下がってくることからそう見えてくるのです。
歯ぐきが下がると、象牙質が露出して『酸』によって溶けていき、むし歯が進みやすくなります。
治療を受けないで放っておくと、ある日突然歯がポロッと抜け落ちてしまうこともあります。
80歳になっても自分の歯を20本以上保つためには、早期発見と予防が大切です。
若い人でもなる可能性が!
年齢とともに歯肉が下がることが多いため、根面のむし歯には「高齢の方の疾患」というイメージがあります。しかし、これは間違いで、歯周病などで歯肉が下がれば、当然若い人にも起こります。
力を入れ過ぎた歯みがきで歯肉が下がる!
強い力で歯みがきしていて、歯肉が下がった患者さん。健康上の問題でうまく歯みがきができなかったため、露出した根面がむし歯になってしまいました。
ドライマウスで悪化する!
加齢や服薬、放射線治療などにより唾液の分泌量が減少すると、唾液の歯の補修作用が十分に働かなくなるため、根面のむし歯も悪化しやすくなります。
⭐️根面う蝕が厄介な理由
1早期の発見が非常に難しい
根面う蝕は、最初期の発見が非常に困難です。
根面の象牙質はもともと黄色みがかっていて、できはじめのむし歯は色がうっすら変化する程度。専門家の目でも判別に苦労します。
黒い部分がむし歯です。
サホライドという薬剤を塗ったところ、黒く変色して分かりやすくなりました。
2自覚症状がほとんどない
根面のむし歯には、「しみる」「痛い」といった自覚症状はほとんどありません。くちびるで隠れる位置にできるので鏡でも見にくく、むし歯になっていることに気づかないまま進行しているケースも多いです。
根面のむし歯は数年かけて徐々に進むこともあれば、短期間で急速に進むこともあります。どちらも場合の痛みは出にくいです。
3セルフケアが難しい
根面は歯ブラシが届きにくい場所で、みがき残しが多くなりがちです。当てているつもりでも当たっていない、ということもよくあります。
4治療が難しい
噛むところのむし歯は、進行した場合、細菌に侵された病変部を除去して、進行を止めてから詰め物や被せ物を入れます。ですが、根面う蝕はそうした対応が難しいです。
また、歯の根に深くむし歯ができている場合、むし歯部分を残らず除去しようとすると、歯が折れてしまう可能性が高いです。
歯ぐきの中に広がっていることも
根面にできたむし歯は、歯ぐきの中の象牙質に広がっていくことがあります。器具が届かないため、むし歯部分を除去できませんし、詰め物をするのも困難です。
歯の周りを囲むように広がっていく
根面のむし歯は、歯のまわりをぐるりと取り囲むように(環状に)進行することもあります。これもむし歯部分の除去を難しくしています。
5治療後も長持ちしにくい
根面のむし歯が広がっている時、歯の根の治療をして被せ物を入れるときがあります。こうした場合、
①歯周病によりあごの骨が減っている
②そのため歯ぐきより上に出ている部分が増えてバランスが悪くなっている
③根の歯質が減っている
④歯の神経が取り除かれている
などの理由でどうしても予後が悪くなります。
⭐️ 根面のむし歯 予防のポイント
- 歯肉を下げない!
根面う蝕では歯肉が下がって露出した根面がむし歯になります。ということは、「歯肉を下げないこと」が一番の予防になります。
・歯周病を予防する。
とくに歯肉が下がる原因となるのは「歯周病」です。歯肉の腫れや歯のぐらつきなどを感じる前から、歯科医院にメインテナンスに通って、定期的に歯周病の検査をしてもらいましょう。また、その際は歯のクリーニングもしてもらいましょう。
・磨き方にもご注意を。
むし歯と同じように、根面う蝕の予防も歯みがきが基本です。とはいえ、日常的に力を入れ過ぎて磨いていると、かえって歯肉を傷め、歯肉が下がる原因となります。歯肉を傷つけない、優しく丁寧な磨き方を歯科医院で教えてもらいましょう。
・フロスや歯間ブラシを使おう。
歯と歯の間の清掃がおろそかだと、そこから歯周病になってしまいます。フロスや歯間ブラシを日常のケアに取り入れましょう。根面にむし歯ができはじめる場所も歯と歯の間の根元まわりが多いので、一石二鳥の予防手段です。②フッ素をもっと活用する!
高濃度のフッ素配合歯磨き剤や、フッ素洗口液を利用して、フッ素が歯を補修する力をさらに強化しましょう。歯みがき剤と洗口液、両方使うとさらに予防効果がアップします。
・フッ素配合歯みがき剤
適切な濃度のフッ素をお口の中に長時間残すため、すすぎは最低限(なるべく1回)、水はおちょこ一杯分ほどで。
・フッ素洗口液
フッ素配合歯みがき剤での歯磨き後に、さらにフッ素洗口液でフッ素を歯に供給。ブクブクうがいをしたあとは、水ですすがないように。就寝前の歯みがき後の使用がお勧めです。
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